自毛植毛を受けるか検討されている方の中には、植毛した髪の毛はいつまで持つのか、すぐに抜け落ちてしまうのではないか、と心配されている方が少なくありません。自毛植毛を受けるために、安くない費用を払うのですから、移植した髪の毛の寿命について不安を抱くのは当然でしょう。
そこでこのコラムでは、自毛植毛をした髪の毛の寿命についてご紹介します。また、移植した髪の毛の寿命を延ばすためのポイントも説明するので、今後の参考にしてみてください。
目次
自毛植毛した毛髪の寿命は普通の毛髪と同じ
自毛植毛した毛髪は、抜け落ちないということはありません。しかし、移植した毛髪が定着すれば、普通の毛髪と同じように抜け落ちてしまっても生えてきます。自毛移植した毛髪の寿命は、普通の毛髪と同じです。
自毛植毛した毛髪の寿命を理解しやすいように、まず普通の毛髪の寿命についてから説明します。
健康な髪の毛の寿命は2~6年
健康な髪の毛は、生えて成長して自然と抜け落ちるという周期を繰り返しています。1本の髪の毛については、2~6年で抜け落ちてしまうため寿命があるといえますが、再び生えてくるので髪の毛の寿命は半永久的ともいえるのです。
健康な髪の毛が生えてから抜け落ちるまでの周期は、ヘアサイクルと呼ばれており、「成長期」「退行期」「休止期」の3つの過程から成っています。
成長期
成長期は、髪の毛が成長する期間です。毛母細胞が活発に細胞分裂して、太くて長い髪の毛に成長します。正常な人の成長期は、約2~6年といわれており、ヘアサイクルの8割以上が成長期です。AGA(男性型脱毛症)は、成長期が短くなってしまうことで症状が現れます。
退行期
毛母細胞の細胞分裂が低下して、髪の毛の成長が止まり、抜け落ちるまでの期間です。正常な人の退行期は、2週間程度と考えられています。
休止期
毛母細胞の細胞分裂が停止し、髪の毛は毛母細胞から離れて抜け落ちます。休止期は、2~3ヶ月程度です。正常な髪の毛は、抜け落ちても新しく生成された髪の毛が生えてきます。
自毛植毛してから2~3ヶ月後に抜け毛が増えることがある
自毛移植の手術を行ってから2~3ヶ月後に、抜け毛が増える期間があります。自毛植毛後によくみられる症状で、自毛植毛が失敗したというわけではないため、心配ありません。
抜け毛の原因として考えられるのは、一時的脱落とショックロスです。以下でそれぞれの症状について説明します。
一時的脱落
自毛植毛の手術後2~3ヶ月で、移植部分の髪の毛が抜け落ちてしまいます。これは自毛植毛を受けた多くの方に現れる症状です。原因は、移植された髪の毛のヘアサイクルがリセットされて、休止期なってしまうためと考えられています。この抜け毛は一時脱落と呼ばれ、一時脱落が起きた髪の毛は正常なヘアサイクルに戻り、また生えてくるので心配ありません。
ショックロス
自毛植毛を受けた2~3ヶ月後、移植した部分の周囲の髪の毛が抜けてしまうことがあります。この抜け毛はショックロスと呼ばれ、自毛植毛を受けた1~2割の方に現れる症状です。ショックロスが起こる原因はまだ明らかになっていませんが、放っておいても4ヶ月~半年でもとに戻ります。
自毛植毛した毛髪は永続的に生え変わる
自毛植毛をした毛髪は、普通の毛髪と同じようにヘアサイクルの休止期になると抜け落ちます。FUT法もFUE法もAGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部から移植するので、AGAによる薄毛を心配する必要はほとんどありません。そのため、定着すれば普通の毛髪のように血液を通して成長に必要な栄養が運ばれ、2~6年程の周期で生涯にわたり永続的に生え変わり続けます。
自毛植毛した髪の毛の寿命を延ばすための4つのポイントは?
髪の毛の寿命は、さまざまなことが影響し合い決まります。自毛植毛した髪の毛の寿命を延ばす(定着率アップを含む)ためのポイントは以下の4つです。
- 術後2~3週間は頭皮への刺激を控える
- 評判がよいクリニックで植毛手術を受ける
- 規則正しい生活習慣・バランスの取れた食事を心掛ける
- 頭皮を清潔に保ち必要に応じて処置を受ける
自毛植毛した髪の毛の寿命を延ばすためには、上記のひとつを心掛けるのではなくすべてを心掛けるようにしましょう。
術後2~3週間は頭皮への刺激を控える
まずは自毛植毛した毛髪の定着させることが最も大切です。そのため、術後2~3週間は、施術部分に刺激をできるだけ与えないように心掛けてください。直接施術部を傷つける行為だけではなく、頭皮の血行に影響を及ぼすような喫煙などの行為も控えましょう。
評判がよいクリニックで植毛手術を受ける
自毛植毛した髪の毛が定着するには、施術を担当する医師の技術や経験、知識もカギとなります。グラフト採取時にドナーを傷つけてしまったり、グラフト採取から移植するまでに時間をかけすぎてしまったりすると、定着率が落ちてしまう可能性があります。
そのためクリニックを決めるときは、料金だけではなく評判や口コミなどを調べて、評判がよい信頼できるクリニックを探しましょう。
規則正しい生活習慣・バランスの取れた食事を心掛ける
頭皮環境が悪いと抜け毛が増える原因となります。そのため、適切な方法で洗髪をして頭皮を清潔に保つことが大切です。また、移植部分の髪の毛が抜けにくい状態を保つために、必要に応じて育毛剤などの使用もおすすめします。
移植するグラフトをAGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部から採取しているとはいえ、AGA症状が絶対現れないとはいえません。また、移植部周囲が薄毛になってしまう可能性もあります。そのため、少しでも髪の毛が薄くなっていると感じたら、できるだけ早く医師に相談して適切な内服薬や外用薬を処方してもらうようにしましょう。
まとめ
自毛植毛した髪の毛の寿命や寿命の延ばし方などを紹介しました。自毛植毛した髪の毛の寿命は、他の髪の毛と同じ2~6年です。また、一度抜け落ちてしまっても新しく生えてきます。髪の毛の寿命を少しでも延ばすためには、規則正しい生活をバランスの取れた食事を心掛けることが大切です。
薄毛についてお悩みの方は、どんなことでもよいので当院にお気軽にご相談ください。