「植毛はどのぐらい費用がかかるの?」
「植毛手術の時間、治療期間はどのぐらい?」
「どのような副作用があるの?」
このような心配や疑問を持っているために、AGAによる薄毛で悩んでいても植毛を受けるハードルが高く、踏み込めない方が少なくありません。
そのような方に向けてこのコラムでは、植毛の費用や手術時間、治療期間、副作用についてご紹介します。植毛を受けるか悩んでいる方は、ぜひ今後の参考にしてみてください。
目次
植毛の費用は?
植毛の費用は以下にあげる5つの要素と関係しています。
- 植毛の種類
- 施術方法
- 移植する範囲(グラフト数)
- 施術回数
- 採取部の刈り上げの有無
以下で5つの要素について詳しく説明します。
植毛の種類
植毛は、人工毛植毛と自毛植毛の2種類に大きく分けられます。人工毛植毛は、合成繊維から作った人工毛を植えていく方法で、自毛植毛に比べると費用は安めです。
施術方法
自毛植毛にはさまざまな施術方法がありますが、「FUE法」と「FUT法」が代表的な施術方法です。FUE法は、丁寧にひとつずつ毛髪のグラフト(株)を採取して頭皮に植える方法で、手間も時間もかかるため、費用は高めに設定されています。FUT法は、メスを使って頭皮ごと採取して移植する方法です。効率よくグラフトを採取できるため、費用はFUE法に比べると安めに設定されています。
移植する範囲(グラフト数)
移植しなければいけない範囲が広ければ移植するグラフト数が増えるため、それだけ費用も高くなります。グラフトとは、移植する毛包数のことです。ひとつの毛包につき髪の毛が2~3本生えいるので、1グラフト移植すると髪の毛2~3本植毛したことになります。基本的に自毛植毛の費用は以下の通りです。
・基本料金+1グラフトあたりの料金×移植するグラフト
基本料金は、医師の技術料や医療機器使用料、衛生維持費など移植範囲に関係なくかかる固定費用です。
施術回数
移植しなければいけない範囲が広いと、1回の施術では終わらないケースがあります。施術ごとに基本料金を請求するクリニックもあるため、施術回数が増えるほど費用は高くなります。
採取部の刈り上げの有無
審美的な理由で、グラフト採取部を刈り上げない方もいますが、そうするとグラフト採取の難易度が高くなるため、1グラフトあたりの料金が高く設定されてしまう傾向があります。
最後に1,250本(500グラフト)を植毛した場合の費用相場(基本料金を除く)を以下の表にまとめました。
植毛の種類 | 費用相場(1回) |
---|---|
FUT法 | 50~70万円 |
FUE法 | 70~90万円 |
手間と時間がかかるFUE法の方が、費用相場 が20万円ほど高いことがわかります。
植毛手術の時間は?
手術時間の目安としては、1,000グラフトにつき3時間前後です。麻酔の効き方や患者の体調によって、手術時間が多少長くなります。グラフト採取から移植までの時間が短いほど、定着率が高いといわれているので、できるだけ短い時間で移植しなければなりません。
1度にする移植グラフト数は、クリニックによって異なっていますが、1,500グラフト前後のクリニックが多いです。1日に2,000グラフト、3,000グラフト移植するクリニックは、休憩を挟んで朝から夕方まで植毛手術を行っているところもあります。
大量に植毛する場合は1回では終わらないため、複数回に分けて植毛手術を行わなければいけません。
植毛の治療期間は?
FUT法の場合は、切開した頭皮の縫合部を抜糸しなければいけないため、手術してから1~2週間後に通院する必要があります。また、経過を観察するため3回ほど通院してもらうクリニックが多いです。
FUE法の場合は、手術後に洗髪方法や移植した髪の毛にダメージを与えにくくするための注意点などの説明を受けたら、基本的にはもう通院する必要はありません。
クリニックの中には、手術翌日に洗髪サービスを行っているところがあります。植毛後に自分で洗髪するのが心配な方は、洗髪サービスがあるクリニックがおすすめです。
自毛植毛施術後に起こる可能性がある7つの副作用
自毛植毛の主な副作用は以下の7つです。
- まぶたの腫れ
- 施術部の痛みや腫れ、感覚鈍麻、傷跡
- 吐き気
- 不満足な仕上がり
- ショックロス
- 一時的な髪質の変化
- 感染症
植毛を受けるか決める前に、副作用を理解しておくことは大切なことです。対処法があるものはそれも説明しておくので、今後の参考にしてみてください。
まぶたの腫れ
植毛手術後にまぶたが腫れることがあります。特に前頭部付近の植毛をした方にみられる症状です。まぶたの腫れの原因は、施術時にした麻酔にあると考えられています。これといった処置をせずに放置していても2~3日で腫れは引くので心配する必要はありません。
施術部の痛みや腫れ、感覚鈍麻、傷跡
FUT法は、頭皮ごと切り取って移植する方法のため、傷跡が残ってしまう可能性があります。施術後、麻酔の効果が切れるにしたがい痛みが出始めるので、処方された鎮痛薬を服用してください。
また、施術部の腫れや赤み、しびれ、感覚鈍麻などがみられることもありますが、時間が経つにつれ治まってくるのでそれほど心配する必要はありません。しかし、長期間治まらなかったり、悪化したりする場合は、クリニックに連絡して診療を受けてください。
施術部の痛みや腫れ、しびれなどは、FUE法の方が起こりにくいです。また、医師の技量によっても起こりにくさに違いが生じます。
吐き気
施術後、吐き気を催す方が稀にいます。施術時の麻酔で血圧が下がったことが原因と考えられるので、血圧を測り低かったら昇圧剤を処方してもらいましょう。
不満足な仕上がり
グラフトを採取する後頭部や側頭部と移植する前頭部や頭頂部で髪質や毛量、髪の毛の太さなどが異なることがあります。その場合、仕上がりがイメージと異なり満足できない方が少なくありません。
カウンセリング時に、医師に仕上がりのイメージを正確に伝えて、患者と医師で仕上がりのイメージを共有しておくことが大切です。
ショックロス
ショックロスとは、移植した部分とその周辺の髪の毛が、移植して1~2ヶ月後に抜けてしまうことです。抜け毛は一時的なもので、放っておいても4ヶ月~半年で元の毛量に戻ります。
ショックロスの原因は、麻酔、移植による炎症、ストレスなどが原因と考えられていますが、まだ正確にはわかっていません。
移植した髪の毛が定着せずに抜け落ちる「脱落」と混同されやすいですが、脱落してしまった髪の毛が生えてくる可能性は低いです。
一時的な髪質の変化
移植した髪の毛の髪質が変わってしまうことがあります。縮毛やくせ毛になってしまっても一時的なものであり、元の髪質に戻るケースが多いです。植毛部は基本的にグラフトの髪質になるので、移植部の髪質とグラフト採取部の髪質が異なる場合は、髪質が変わってしまいます。
感染症
稀に頭皮の切開部や移植部に感染症が起こる場合があります。抗生物質や内服治療で改善する場合も多いですが、切開部や移植部にメスを入れて洗浄しなければならないケースもあるので注意が必要です。医師の技量や術後のケア方法で感染症が起こる可能性が異なるので、医師に術後のケアについての説明をしっかり聞くようにしてください。
まとめ
植毛の費用や手術時間、治療期間、副作用についてご紹介しました。植毛は、比較的短い時間で薄毛が解消できる治療法といえます。しかし、定着しない場合や副作用などもあるため、しっかり理解したうえで、施術を受けるか決めることが大切です。