男性のAGA(男性ホルモン型脱毛症)という名称は一般的に使われることが多くなっていますが、女性のAGA「FAGA(女性男性型脱毛症)」もあります。
AGAとは発症する原因が違うため、薄毛が始まる部分や進行の仕方も違うので、治療方法も異なります。
AGAの内服薬は男性ホルモンに作用するものが多いため、女性が服用できる内服薬は限られています。
そのため、治療方法として自毛植毛を選択される方もいるでしょう。自毛植毛は自分の毛を薄毛が気になる部分に植毛する治療方法です。
本記事では女性の自毛植毛の方法やメリットとデメリットについてご紹介します。
自毛植毛に興味のある方や、女性でも受けられる治療なのか気になる方はぜひ最後までお読みになり参考にしてください。
目次
女性の薄毛の特徴
女性の薄毛は男性の薄毛と発症する原因が違うため、症状も違います。
まずは女性の薄毛の特徴から見ていきましょう。
びまん性脱毛症
「びまん性脱毛症」は頭皮全体の毛髪が薄くなりボリュームがなくなる症状です。
遺伝的な要因やホルモンバランスの乱れ、自律神経の乱れなどが原因です。
男性のAGAは生え際や頭頂部など部分的に薄毛を発症して進行していきますが、びまん性脱毛症は徐々に進行しながら頭皮全体が薄くなっていきます。
脂漏性脱毛症
「脂漏性脱毛症」は頭皮の皮脂分泌が過剰になっていることや炎症が原因で起こります。
シャンプーのしすぎや過剰な頭皮ケアによって起こることが多いため、日ごろのケア方法を見直し外用薬で改善することもあります。
牽引性脱毛症
「牽引性脱毛症」とは、ポニーテールなど髪を結ぶ時に後ろに強く引っ張るようなヘアスタイルをしたことで薄毛になることです。
いつも同じヘアスタイルをしていることで頭皮に負担がかかったり、血流が悪くなることが原因です。
広い額やM字型の生え際
元々額が広かったり、生え際がM字型に薄かったりする薄毛です。
妊娠出産、更年期などホルモンバランスが変化した影響でさらに薄毛が進行することもあります。
円形脱毛症
頭皮が円状に部分的に薄くなる症状です。
ストレスなどが原因で一時的に毛が抜けて元に戻ることがありますが、再発することも多いといわれています。
女性でも自毛植毛はできる?
女性でも自毛植毛は可能です。
男性の場合は薄毛が進行しても周りも薄くなり始めているからと、半ば諦めてしまう人もいますが、女性の場合はそうはいきません。
「まだまだヘアアレンジを楽しみたい」
「髪が薄いから人目が気になって外出しにくい」
「部分的なウィッグを使用しているけど面倒に感じる」
などの理由から根本的な改善が目指せる自毛植毛を始める方もいます。
自分の毛を使用するのでヘアアレンジも楽しめる自毛植毛は、FAGA治療として女性におすすめです。
女性の自毛植毛のメリット
FAGA治療にはさまざまな方法がありますが、どれも継続的な治療やメンテナンスが必要になり、費用もかかり続けます。
自毛植毛は自分の毛を使うため、生え揃えばパーマやヘアカラーも可能なのでヘアアレンジも楽しめます。
女性の自毛植毛のメリットを見ていきましょう。
自然な仕上がりになる
自毛植毛は人工毛植毛と違い、元々生えている自分の毛を移植するので、自然な仕上がりになります。
髪の色や髪質もマッチするので、移植した部分の毛が浮いてしまう心配もありません。
自毛植毛なら薄い部分を自然にカバーできるため、今まで生え際や分け目を隠すような髪型をしていた方でも、自信を持てるようになるでしょう。
定着すれば生え続ける
自毛植毛は、毛を包む毛包という毛根組織自体を採取して移植するため、毛を成長させる毛母細胞も残っています。
移植した後に毛根組織が血管と結びつくことで、再び発毛活動が始まり、毛が生えてくるのです。
定着すれば普通の毛と同じように生え続けるため、メンテナンスは不要です。
薄くなる心配がなくなるので、コンプレックスも解消されるでしょう。
拒絶反応がほとんど起きない
自毛植毛は自分の毛を移植するので、拒絶反応がほとんど起きません。
元々生えている自分の毛を別の部分に移植するため、生着率が高いです。
移植した毛が血管と結びついて成長が始まれば、ほかの毛と同じように伸びていきます。
自毛植毛ならリスクの少ない植毛が可能です。
女性の自毛植毛のデメリット
メリットの多い自毛植毛ですが、デメリットもあります。
デメリットな部分も知ることで、自分に合った治療や自毛植毛が受けられるでしょう。
自毛植毛のデメリットを見ていきましょう。
定着するまでに期間がかかる
自毛移植は定着すれば生え続けますが、定着するまで期間がかかります。
髪が生え変わってしっかり生えてくるようになるまで、半年~1年はかかると見ておきましょう。
即効性はない治療方法ですが、定着すればあとは生え続けるため気長に待ちましょう。
傷跡が残る
自毛植毛は採取する部分を切り取ったりくり抜いたりするため、傷跡ができてしまいます。
かさぶたは2週間程度で取れるので普通の肌の状態に戻りますが、皮膚組織を切り取っているため、擦り傷などの浅い傷とは残り方が違います。
採取する場所や採取方法によって傷跡を最小限に抑えられることもあるので、十分検討してから受けるようにしましょう。
費用が高い
自毛植毛はFAGA治療の中でも高額な治療になります。
費用は基本料金に、移植した毛束(グラフト)数で決まり、狭い範囲でも80万円以上かかることがあります。
しかし治療費だけ見ると高額に感じられますが、長期的に見るとそれほど高額だとは言い切れません。
薄毛が気になり始めた頃は、育毛剤、シャンプーやトリートメントなど日常のケアから始める方が多いため、毎日使用するものは年間で考えると高くつくことがあります。
また女性の場合は部分的にカバーできるウィッグを使用している方も多く、外出前にサッと着用するので便利な反面、ウィッグは高額です。
特殊技術が採用されていたり、自分の髪色や毛質に合ったウィッグをオーダーメイドするとかなりの費用がかかります。
そのため、自毛植毛は高額な治療にはなりますが、1回の治療で終わることもあるのでトータルで考えると高額には感じないこともあります。
まとめ
女性の自毛植毛についてご紹介しました。
女性でも自毛植毛は受けられるので、FAGA治療のひとつとして検討してみてください。
デメリットのある治療方法ですが、自分の毛を使うため定着率が高く、ずっと生え続けるのは大きなメリットでしょう。
自分の髪でヘアアレンジを楽しみたい方は、採用しやすい治療といえます。
自毛植毛が気になる方はクリニックで相談してみるところから始めてみましょう。